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模写・模造と日本美術-うつす・まなぶ・つたえる-/東京国立博物館 [アート・イベント]

特別展[模写・模造と日本美術-うつす・まなぶ・つたえる-]
2005年7月20日(水)~9月11日(日)
東京国立博物館 (上野公園) 平成館 特別展示室第4室 http://www.tnm.jp/

ポスターがちょっと面白かったので、コピーは
「模写だけで展覧会になるとは思わなかった。横山大観  だったら言う」
使われている絵は雪舟の「四季山水図」を大観が模写したもの。
けっこうな出来栄えで素人の私は簡単にだまされちゃいます。

明治初期、岡倉天心を中心にした模写・模造事業で製作された作品を展示しています。
東京美術学校長であり、帝国博物館美術部長であった天心は古典美術の消失を憂い
日本画の横山大観や下村観山、木彫の竹内久一などに模写・模造を依頼して
帝国博物館に買取をしました。

入り口近くに仏像が数体どどんと並んでいます。圧倒されます。
薬師寺東院堂本尊の聖観音菩薩立像(明治26年 山田鬼斎 木彫)
模造なのに、あらこんなところでお久しぶりです、とついご挨拶してしまいました。
東大寺法華堂の月光菩薩立像(明治24年 竹内久一 木彫)
月光さんのぼってりしたお顔が・・・なんともいいですねぇ。

比叡山の焼き討ちを逃れ高野山有志八幡講十八箇院に密かに運ばれたという
阿弥陀聖衆來迎図(明治29年 本田天城 下村観山 溝口禎次郎 模写)
これのホンモノを見る機会はきっとないんだろうなぁ、福々しい姿。
安楽寿院の孔雀明王像(明治 横山大観 模写)はかなり辛口のコメントがついていて
その辛らつさがツボにはまりました。模写としてはあまり良い出来ではないらしい。。。
大観らしさ、が出ていて模写の域からはみ出した作品になってる。
四季山水図 (横山大観 明治30年)観音猿鶴図(猿図) (横山大観 明治28年)
大観は雪舟の「四季山水図」を模写研究し、近代山水画の傑作「瀟湘八景」を制作。
 「観音猿鶴図」は、中国水墨画の最高峰とされた南宋の画僧牧谿の代表作
大観は牧谿から中国水墨画の技法を学び近代日本水墨画を代表する「生々流転」を制作。

法隆寺金堂壁画 模写(法隆寺金堂壁画(10号)荒井寛方ほか 法隆寺蔵)
昭和15年(1940)から、法隆寺昭和大修理の一環として、壁画の模写事業開始。
昭和24年1月金堂火災で壁画の大半が焼失してしまったため制作された模写は、
在りし日の壁画の面影を今に伝える唯一の貴重な資料となっています。

この展示はすべて模造模写ですが、近代日本芸術の代表者たちが制作していて
ホンモノを知っていても知らなくても、楽しめました。




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