東大寺文化講演会

第21回東大寺文化講演会（５月２０日有楽町マリオン）
奈良国立博物館の西山厚・資料室長と東大寺の森本公誠・第２１８世別当（住職）による講演。

京大大学院卒で仏教思想や仏教史を研究する西山氏のテーマは「公慶上人　江戸時代の大仏復興」、江戸時代に大仏と大仏殿の復興に命をかけた公慶上人のお話。一時間半程ぶっ通しで語られたのですが、ときどき冗句も交えた楽しいお話に眠くなるヒマはありません。一曲歌っちゃいましたしね。数年前のTVで「東大寺大仏殿・平成の大改修」という番組があり、CGを使ったり実際に柱や屋根の部材ひとつひとつを紹介していたので、それを思い出しながら大変興味深くお話を伺うことができました。
第二部の講演は森本氏。昨年５月に第２１８世別当・華厳宗管長就任し、イスラム史の学者でもあります。日本古代史にも取り組んでいて、今回のテーマは「国の護りと世界の救いと―古代天皇の仏教思想にみる―」。見た目としてはおじいさんですが、管長という役職の重さを考えるとまだまだお若い。少し時間が押してしまったために後半は省略されてしまったのが残念。