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オペラ座の怪人/創元推理文庫 [本]

オペラ座の怪人/創元推理文庫 (530‐2)
ガストン・ルルー (著), 三輪 秀彦(訳)

映画の「オペラ座の怪人」を見たので原作の ガストン・ルルー の小説も読みたくなって
会社帰りに銀座の書店で探したところ三輪 秀彦氏訳のこの版しか置いてませんでした。
すぐ欲しかったので他書と検討せず読み始めたのですが、思ったよりずっと長編小説。
「オペラ座の怪人」何度も映画にもなっているし子供向けのおはなしにも入っているが
なぜか「ノートルダムの背虫男」と記憶が混同してしまう。ルルーの原作を読むのは初めて。
19世紀風のとでも言うような重々しい訳文ともってまわったような表現が苦手な方もいるかも
しれません。私は「美しい日本語」だと思いましたが・・・少し無理のある箇所も。
ストーリーは面白いのでずんずん読み進めると思います。
次々と出てくる「幽霊」(怪人)の話、死体、舞台、支配人、そして新しい歌姫の恋をめぐる事件。
オペラ座の内部の細かい描写もたいへん興味深く、奇想天外な(でも詳細に調べて構築されてる)
切り穴や隠し扉のトリック、地下の城壁、迷路のような通路、探検モノのようにワクワクします。
ウェバー版は小説のエッセンスをものすごく上手に料理して舞台・映画の時間にまとめ上げている
ことを再認識させられました。短いシーンやセット・情景に小説の中の部分が余すところなく詰め
込まれています。恐るべしウェバーの才能。

クリスティーヌとラウルの恋も、小説のエピソードや「身分違い」の背景を読めばもっと切なく、
そして勇気あるものと深く感じることができます。映画ではラウルはいいとこ取りの恋人で
クリスティーヌに救われる青二才という感じでファントムの魅力に負けていましたが
小説の子爵(ラウル)はがんばってる、というか、マジメで、本気で、いい男っぷりです。
魅力的なファントムと違って怪人は、もっと怪人で怖かったです。

巻末の解説(紀田順一郎氏)で過去の映画の写真が数枚乗っています。
その中に500円版の怪人も!
読後の余韻も味わえ、やはり書籍は素晴らしい、ウェバーの成功も良い原作あってこそです。

オペラ座の怪人[DVD]

オペラ座の怪人[DVD]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: コスミック出版
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本


オペラ座の怪人

オペラ座の怪人

  • 作者: 三輪 秀彦, ガストン・ルルー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1987/01
  • メディア: 文庫


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コメント 2

ワイナリー和泉屋

★Ren さん、書き込みありがとうございました。
チェリー・ドライ・トマトのオリーブオイル漬けですが、
ぜひピアッティ社の輸入のものを食べてみてください。本当ら絶品です。お返事を書いていたら食べたくなってきたぁ~。。。
by ワイナリー和泉屋 (2005-10-15 19:42) 

Ren

ワイナリー和泉屋さん、再訪ありがとうございます!
今度はゼッタイ!ピアッティ社のものを探します。お勧めありがとうございます。
by Ren (2005-10-17 06:56) 

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