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プライスコレクション若冲と江戸絵画/国立博物館 [アート・イベント]

プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展
2006年7月4日(火)~8月27日(日)
東京国立博物館 平成館 (上野公園)
主催 東京国立博物館、日本経済新聞社
特別協力 財団 心遠館
後援 アメリカ大使館、南カリフォルニア日米協会
協賛 NEC、日本興亜損害保険
協力 ロサンゼルス・カウンティ美術館、日本航空、ファースト・デザイン・システム
展覧会サイト http://www.jakuchu.jp/
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会期末駆け込みで鑑賞。全体では見れないほどの混雑ではなく入場制限も行われていなかった。
それなのに、若沖の部屋だけすごい人だった・・・

アメリカ・カリフォルニアのプライスコレクションは、世界的に有名な江戸絵画のコレクションとして
知られています。 プライス氏は、半世紀前に当時美術史家にも見過ごされていた江戸時代の
個性的な画家たちの作品の収集を始めました。そのコレクションおよび財団の名前「心遠館」は
伊藤若冲 の堂号「心遠館」に由来しています。コレクションの中心は若冲の作品です。長沢芦雪
など上方の画家や、酒井抱一などの江戸琳派の画家たち、肉筆浮世絵など、近年になって日本で
その芸術性が高く評価されるようになり美術愛好家が増加したジャンルの作品が数多く所蔵されて
います。

第1章 正統派絵画
狩野派や土佐派など伝統的絵画の制作を行う流派組織が形成され伝統の継承に重きをおくため
絵画表現が保守的になりがちな面もあったとも言われますが、その技法の伝承には尊敬。
特定の流派様式によって描かれたこれぞ日本画というタイプの16.17.18世紀前半までの作品。

第2章 京の画家
18世紀後半の絵画表現の変革。伝統を意識しながらも自由で想像力に満ちた京都で生まれた
新しい絵画スタイルその代表画家である円山応挙の画風はのちに流派化し、明治期の京都画壇
まで継承されていきました。応挙門下の、長沢芦雪ほか、大阪・長崎の画家の作品も展示。
円山応挙の駱駝図が好き、「猛虎図」は各人の作風を見比べてみるとかなり違いがあって楽しい。
(トラは江戸時代には日本にいない、トラの敷物や他者の絵を元に各人想像で補っている)

第3章 エキセントリック
自宅に鶏を飼いひたすらに鶏を描き、その動きも姿も見事に写し取った若冲の絵画表現への執着、
「異端」や「奇想」と表現される面もあります。現実の事物を伝統的な枠組みに巧みに取り入れて
いくテクニックの妙。水墨画の技術の高さもさることながらその構図の大胆さがすばらしいです。
細かい描写まで美しい彩色画は実は子供のころは嫌いでした。緻密すぎる牡丹が今にも動きそう
な生ナマしさを持って迫ってくる感じがして気持ち悪かったんです。描き手のエネルギーが詰まり
過ぎていて見ている私は苦しく、画面いっぱい隙間なく咲く牡丹にアップアップだった。そんな苦い
思い出の「動植綵絵シリーズ」ばかりではないので新鮮な思いで若沖を楽しむことができた。

第4章 江戸の画家
江戸は武家と町人の独自の都市文化を生み出していきました。菱川師宣など浮世絵に代表され、
いわゆる美人画だけでなく生活に密着した人々の姿を生き生きと描いた作品も多くみられます。
浮世絵の前史にあたる風俗図と、江戸文化の余韻が残る河鍋暁斎 、柴田是真の作品、江戸南画。

第5章 江戸琳派
酒井抱一は、琳派の絵画技法を学びながら、四季のうつろいを微妙に感じさせることで達筆。
抱一の弟子、鈴木其一は抱一の代作をするまでに師風を学び極めますが、師の没後に画風が
変貌。形と色の対比の巧緻、大胆な画面構成の研ぎ澄まされた感性を存分に見ることができる。
酒井抱一「十二ヶ月花鳥図」ほか

「光と絵画の表情」
ガラスケースを用いず、光の効果に工夫を凝らした展示室があります。「江戸時代にガラスケースは
なかった」「日本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である」というプライス氏の持論
で実現した試み。舞台に使われるような照明装置を使い、「自然光のように変化し、作品に表情を
与える陰影ある光」を実現します。光によって変化する作品の表情を楽しむことができます。
若沖の「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」・長沢芦雪の「白象黒牛図屏風」他

平成館1Fでは、プライスコレクションの8点の作品を展示し、おもしろい鑑賞ツールと簡単な解説で
日本絵画の鑑賞を楽しむ《親と子のギャラリー 「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」-あなた
ならどう見る? ジャパニーズ・アート-》を開催しています。
こちらではプライスコレクションの一部が見れますが特別展の入場券は必要ありません。

ザ・プライス・コレクション

ザ・プライス・コレクション

  • 作者: 辻 惟雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/08/11
  • メディア: 大型本


アート・トップ 2006年 07月号 [雑誌]

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 芸術新聞社
  • 発売日: 2006/06/20
  • メディア: 雑誌


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コメント 2

YUMiKO

わ~、行ってこられたのですね。私も早く見たいです!
9月下旬には、京都国立近代美術館へ来るそうなので、それまで首を長くして、楽しみに待っています。
by YUMiKO (2006-08-19 09:47) 

Ren

YUMiKO さん、こんにちは☆
暑いしなぁ、などとグズグズしていたら会期末になってしまいました。
京都には若沖の野菜涅槃図や巨大な椎茸や蕪の名作がありますよね!
あ~京都国立博物館、行きたいです。。。
by Ren (2006-08-20 08:26) 

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