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魔界転生/新橋演舞場 [オペラ・バレエ・舞台]

魔界転生 新橋演舞場
平成18年9月2日(土)~26日(火)
原作 山田風太郎
脚本・演出 G2 http://www.g2produce.com/index.shtml
柳生十兵衛 中村 橋之助
天草四郎 成宮 寛貴
********************************************************
9/16(土) 昼の部。 
橋之助さんは孤軍奮闘、もともとのお話が長いのでところどころダレてちょっと長いように
感じてしまった。好きなお話なので見れたがもうちょっと展開にメリハリがあってもいいと思う。
子役の子はすごく上手。成宮 寛貴さんは思ったよりも台詞ははっきりと聞き取りやすい。
ちょっとオカマっぽく見えちゃったかも。ごめんなさい。素でも美少年系になれると思うのになんだか
真っ赤な口紅とネイルできついメイク。真っ白い衣装の後ろ裾をひく立ち姿はけっこういけてました。
ツケ打ちの入った殺陣が、歌舞伎よりはすばやくテンポもよく、最近の激しいの程早くなくて
橋之助さんのいいトコを見せる~という感じに仕上がっていたのがよかったです。
イヤホンガイドの貸し出しもありましたが、必要に思わなかったので借りていません。

<ネタバレあります>

第1幕、場内真っ暗、太鼓のリズム、三味線、笛と盛り上がって幕が開く。倒れている人々。
「島原の乱」不思議なダンス。女性の衣装は着物風だが脇に深くスリットが入っていて
スタイルがよく見える。大きな十字架が倒され、竹ヤリの先に生首。中央に天草四郎。
場面変って「小笠原藩の陣営」三人の藩士が島原制圧の話をしている。そこへ由比正雪と名乗る
ものが指揮官宮本武蔵を訪ねてくる。「宮本武蔵の陣営」剣豪と言われながらも使官できず不遇の
人生を悔やむ武蔵に徳川家への仕官の話を持ちかけ7年後に転生し仲間になるように誘う由比。
女たちの不思議なダンス、ここで由比が女を真っ二つに切ると荒木又右衛門、天草四郎登場。
「女の体から脱皮するように転生」という原作の表現を上手く舞台で表現してるなぁっと思った。周り
を着物で隠しておいて入れ替わる、仕組みは単純でわかりやすいけどこういうの好き。
天草四郎(成宮 寛貴)は思ったより台詞は聞き取りやすい、でもなんかちょっとヘンなしゃべり方。
オカマのお姉さんみたい。魔界転生の天草四郎のイメージとは、う~んやっぱり違和感あるかも。。
「柳生の里」江戸所払いになった十兵衛、柳生の道場では稽古もつけずにゴロゴロ。門弟たちは
稽古に余念がない。関口弥太郎役の子がハキハキしてて可愛い~♪ダブルキャストなので私が
見たのは金子尚太郎クンか渡部駿太クンなのかわからない(汗)すみません、いい加減です。
剣術を教えて欲しいと美女お品(馬渕 英俚可)が訪ねてくる。そこへ木村助九郎の孫娘お縫(藤谷
美紀)が逃れてくる、続いて木村助九郎も瀕死の状態で運びこまれ、紀州で大変なことが起きて
いる、紀州藩を頼むと言い残して死んでしまう。追っ手の殺気はものすごく敵はただものではないと
ことの重大さを知った十兵衛は柳生7人衆と紀州へと向かうことにする。
「紀州隠れ屋敷」紀州藩主徳川頼宣(升 毅)、牧野兵庫守(千葉 哲也)は江戸から柳生但馬守(六平 直政)を呼び他流試合を持ちかける。相手は死んだはずの宮本武蔵!但馬守は武蔵に破れ魔
界転生することになる。そして十兵衛は1人、紀州藩主を訪ねてくる。
「白浜」女湯を覗く柳生7人衆・・・周囲には敵の気配、お品の背中に密書をしたためる十兵衛。
お品を1人残して先に皆が宿へ戻ると、そこへ飛んできたのは天草四郎。お品は四郎の手先なの。
ここまで第1幕、橋之助さんの孤軍奮闘と言う感じがした。<休憩10分>

第2部 「囮の峠」紀州山中の場面。舞台いっぱいに大きな木、斜めに道。第1幕の細かい場面転
換とまた違った雰囲気でおもしろい。追っ手を撒くために数人づつででたらめに走りまわる。目的地
は「道成寺」。お品を守るため宝蔵院胤舜(田尻 茂一)の槍に倒れる柳生衆の1人。その命を思い
十兵衛は四郎の手先と知りながらお品を殺すことなく逃がす。
「剣道成寺」やっとたどり着いた柳生衆。しかし敵に囲まれている。そして柳生但馬守がやってくると
魔界転生したとは知らずその刃に倒される者、十兵衛は父と戦う心構えができていない。お縫を
奪われ右目を失い退却することに・・・・<休憩30分>

第3幕 食後で眠くなる危険の高い時間「地図」をスクリーンに映し、前幕で死んだ柳生衆が解説。
本筋とは関係ないけれど地名がたくさん出てきているのでこれはわかりやすくて親切。
根来衆の追走を振り切れるか?と思ったがやはり無理。密書と弥太郎は根来衆に捕らえられる。
紀州藩主徳川頼宣一行が江戸へ向かう道中柳生の里を通ると知った十兵衛は、柳生の里の者を
全員避難させる。そして本陣に左閉じの手紙(果たし状)を届けさせるのだった。
「柳生城」もぬけの空の柳生城に入城し十兵衛が命じたものと頼宣は激怒。表裏の座敷のセットを
クルクル回して、お城の中をずんずん進むイメージ。江戸から由比が到着、将軍が病気でないことが
わかる。四郎と由比は袂を分かつ。伊賀へは兵庫頭が行くことになった。
「芳徳寺」柳生の菩提寺。十兵衛と但馬守は相対する。生前の父の功績を死後の父が汚すのは
許さん、と父を討つ覚悟を決めた十兵衛。父を倒した後の「俺の顔を見るな」という叫びが切ない。
「鍵屋の辻」兵庫頭が頼宣の身代わりになり弥太郎を連れての行軍。編笠の男と根来衆が来て
「伊賀が攻撃を仕掛けてくる、人質をこちらへ」と弥太郎をさ~っと連れ去っていく。そこへまたも
編笠の男?荒木又右衛門(山本 亨)を破る十兵衛。
「最後の死闘」兵庫頭と荒木又右衛門の死が伝えられる。松平伊豆守(蛍 雪次朗)もわざわざ来て
「ここは紀州」とかなんとか言うので、これ以上進むこともさりとて戻るのも悔しい頼宣。四郎は頼宣
に魔界転生を勧める。四郎はお品(馬渕 英俚可)が裏切ったと思い殺そうとするが十兵衛にジャマ
される。死闘が始まる。お品の髪の毛を使った術で十兵衛危機一髪。しかしお品が自害して助ける
のだ。宮本武蔵に十兵衛と戦わせようとするが武蔵はすでに私利私欲へ動きだしていた、裏切り者
はお銭(遠藤 久美子)。やっと出番!ここまでまったく目立たないお役でした。魔界転生した者が四
郎を殺すと魔界衆も死ぬが、お銭は魔界衆じゃないので大丈夫、ってことで四郎をブスリ。十兵衛と
四郎の死闘じゃないの?ヨロヨロなった四郎。頼宣とお縫が出てくるが、頼宣は魔界転生していな
かった。十兵衛は四郎を倒し、頼宣には「悪夢はみな柳生城に置いてお忘れください」、と超カッコ
イイ、十兵衛~橋之助さん~気持ちよいラストでした。

柳生十兵衛 中村 橋之助
天草四郎 成宮 寛貴
お縫 藤谷 美紀
お品 馬渕 英俚可
お銭 遠藤 久美子
柳生但馬守 六平 直政
荒木又右衛門 山本 亨
牧野兵庫守 千葉 哲也
徳川頼宣 升 毅
宮本武蔵 西岡 德馬
木村助九郎・松平伊豆守 蛍 雪次朗
由比正雪 笠原 浩夫
金丸内匠 陰山 泰
三枝麻右衛門 関 秀人
小栗丈馬 中村 橋弥
小屋小三郎 山 雄介
北条主税 内田 滋
川崎忠右衛門 及川 直紀
津島源右衛門 大月 秀幸
伊達佐十郎 坂田 聡
逸見瀬兵衛 福田 転球
宝蔵院胤舜 田尻 茂一
八代九兵衛 園岡 新太郎

魔界転生〈上〉

魔界転生〈上〉

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


魔界転生〈下〉

魔界転生〈下〉

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


魔界転生

魔界転生

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2002/07/21
  • メディア: DVD


魔界転生

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 2003/10/21
  • メディア: DVD


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コメント 12

イマイチと言われても、やっぱり観たい天草四郎。
柳生十兵衛は格好良くない訳がない!と思うのでやっぱ観たい。
残り僅かの日程でたどり着けるのか疑問です。
無駄になったチケットが悔やまれます~(涙)
by (2006-09-19 19:38) 

Ren

天草四郎は沢田研二のイメージが強すぎるのかしらね(汗)
子供心にんものすごいインパクトだったからねぇ。
橋之助さんの十兵衛は1人で敵をなぎ倒し、最後までカッコイイですよ!
返す返すも先輩の食中毒が悔やまれます。。。見れるといいですね。
by Ren (2006-09-21 06:59) 

YUMiKO

イヤホンガイド、話の種に借りてみましたが、ハッキリ言って必要なかったです~。芝居に集中できないので、途中で耳から外しちゃいました。(~_~;)
by YUMiKO (2006-09-21 10:39) 

Ren

YUMiKO さん、イヤホンガイドはやはり必要なかったですか(^^;
まぁ「話のタネ」ってことで・・・ 開演前の橋之助さんの宣伝アナウンスで
ついつい借りたくなります。さすが松竹さん上手い営業テクだと思いました。
by Ren (2006-09-23 08:28) 

麗

ご無沙汰してます。
私も観てきました。
成宮くんは、ほんとオカマちっくでしたね。(笑)
でも意外とハマり役だったと思います。
もうすこし、主役としての貫禄があれば良かったのですが、、、
相手が橋之助さんじゃ、貫禄負けしちゃうよね。

久しぶりにTBさせて頂きます♪
by (2006-09-25 22:37) 

Ren

麗 さん、コメント&TBありがとうございます☆
「十兵衛vs四郎」が互角だともっと盛り上がるんですけどねぇ。。。
成宮くんはオカマチックでもすごく「天草四郎」のキャラを作っていたのに
他の魔界衆があんまり「魔界っぽく」なくちょっと薄かったように思いました。
でもたっぷり4時間ちかく楽しませていただきました♪
by Ren (2006-09-26 06:40) 

結局観て来ました~。TBしていきますね。
イヤホンガイドは不評なようなので借りませんでした(笑)。
個人的には徳馬おじ様が良かったです。(単に好き。)
by (2006-09-26 21:38) 

Ren

ERUN さん、千秋楽をご覧になったんですね!
カテコも3回と盛り上がりが違ったみたいで、ちょっとうらやましいかも~。
私の観た日は、ちょっと中だるみ・・・?(^^ゞ
by Ren (2006-09-27 07:14) 

ぴかちゅう

ご無沙汰しました、ぴかちゅうです~。気軽~に観て感想も書かずにほっぽらかしてましたが、やっぱり書きましたのでTBさせていただきましたm(_ _)m
皆さんに不評なイヤホンガイドですが、柳生七人衆をチェックするために借りたのが主目的です。お目当てがいたもんですから(^^ゞ
橋之助もよかったんですが、七人衆もよかった。成宮くんもけっこうよかった~。私のご贔屓の沢田研二よりよかったかも。若い女優さんは~藤谷美紀の他はちょっとね~。ってお兄さんおじさんを堪能してきました。
なんだかんだと10/16には『森の石松』も観てきます(^O^)/
by ぴかちゅう (2006-10-13 21:38) 

Ren

ぴかちゅう さん、コメント&TBありがとうございます☆
「イヤホンガイドで柳生7人衆のチェック」、そういう使い道があったんですね!
不勉強な私は若手の方はあまり知らなくて・・・
お目当てがいらっしゃるとはさすがぴかちゅうさんです。
「森の石松」の感想も楽しみにしています♬
by Ren (2006-10-14 12:11) 

かしまし娘

Ren様、まいど!
ストーリーは既に、M78星雲に飛んでしまっていたので、読ませて頂きました~!
私にとって、G2演出というのは、後藤ひろひとの脚本でキラキラするもんなんだ。と思ったのでした。
by かしまし娘 (2006-10-16 10:45) 

Ren

かしまし娘 さん、ありがとうございます☆
G2演出は初めて見たんです。森のセットなどは、おぉ!という出来でしたね。
衣装もポスターみたいにハデハデでもよかったのになぁと思いました。
あと、魔界衆弱すぎ・・です(笑)せっかく転生したのにすぐ死んじゃうなんて。
by Ren (2006-10-17 07:06) 

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